無自覚モラハラ妻だった私②離婚してほしいと言われた夜から冷戦が始まった

【体験談】

あの夜のことは、今でも鮮明に覚えている。

何気ない夜だった。特別なことは何もなかった。
なのに夫は、静かな目でこう言った。

「離婚してほしい」

第2話は、すべてが変わったあの夜のことを正直に書きます。

「離婚してほしい」——意味が、わからなかった

静かな夜のリビングのイメージ

それは、何気ない夜のことだった。

リビングでふたり、特別なことは何もない、いつも通りの夜。夫がふっと画面から目を離して、こう言った。

「離婚してほしい」

一瞬、意味が分からなかった。え、何て言った?今、何て言ったの?

頭の中で同じ言葉がぐるぐる回るのに、うまく処理できなくて。

「……冗談だよね」

そう言うのが、やっとだった。

でも夫の顔は、冗談じゃなかった。いつもより静かで、どこか遠くを見ているような目をしていた。あ、本気なんだ。そう分かった瞬間、胸の奥がズンと重くなった。

まだ結婚して1年ほどだった。こんなに早く離婚なんて、どうすればいいのか全然わからなかった。

「そんなわけない」——認めたくなかった

ひとりでいる女性のイメージ

認めたくなかった。

この人が私に離婚を切り出すなんて、そんなこと、あるはずがないって。結婚1年でもう離婚なんて、そんなことにはならないって。

「この私が?」
「そんなわけない」
「冗談に決まってる」

その言葉を繰り返すことで、現実から逃げていたんだと思う。

それに、恥ずかしかった。結婚してすぐ離婚なんて、周りにどう思われるだろう。そんな気持ちも、正直あった。

夫はその日、実家に帰った。私はひとり、残された家の中で、声を押し殺して泣いた。

謝った。でも、何も変わらなかった

距離ができた夫婦のイメージ

数日後、夫は自宅に戻ってきた。

「どうにかしなきゃ」と思った私は、謝った。ごめんなさい、と。でも夫の離婚の意思は、変わらなかった。

それからの日々は、じわじわとつらかった。

会話がなくなった

私が夜勤から帰る前に出かけてしまう

一緒にいる時間を、意図的に避けられる

冷たい言葉をかけられる

背を向けられる

同じ家にいるのに、こんなにも遠かった。あの頃の夫の後ろ姿を、今でも思い出すことがある。

夫はずっと追い詰められていたんだと思う。

笑わなくなっていたのも、目を合わせなくなっていたのも、全部そういうことだったんだと——あとになって、ようやく気がついた。

あの頃の私が、気づけなかったこと

雨の窓・ひとりのイメージ

謝ったのに変わらなかった。それがまた、つらかった。

「どうすれば許してもらえるんだろう」「何が悪かったんだろう」——頭の中がぐるぐるするのに、答えが出なかった。

今ならわかる。あのとき私が謝っていたのは、「夫を傷つけてごめんなさい」じゃなかった。「離婚しないでほしい」という気持ちからだった。

謝っているようで、
まだ夫を「自分のもの」だと思っていた。

依存から抜け出せていなかった。それが、あの頃の私だった。

次の話では、別居が始まったことを書く。
怖かった。でもあの時間が、すべての始まりだった。

第2話のまとめ

「離婚してほしい」——冗談だよねと言うのがやっとだった
結婚1年でまさかの離婚宣告。恥ずかしい、そんなわけないと認めたくなかった
謝ったけれど夫の意思は変わらなかった。会話なし、冷たい言葉、背を向けられる日々が続いた
謝っていたのは「夫のため」じゃなく「離婚しないでほしい」という依存からだったと、今はわかる

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